ページタイトル-6.輸入小麦を控えよう小麦も大部分が輸入
小麦も自給率がとても低く、わずか14%しかない。86%の小麦は輸入され、パン、パスタ、ピザなどの洋食や、お菓子、ラーメンなどに利用されている。だから、こうした食品を食べれば食べるほど、日本の食料輸入は増え、それだけ地球環境に負荷がかかることになる。
さらにここでは、どうしてこんなにまで日本の食料自給率が下がってしまったのかを考えてみよう。日本の食料自給率を低くしている3大要因……それが家畜飼料、油、小麦の輸入だ。畜産物、油、小麦を多用する食生活、一言でまとめると「食生活の欧米化」こそが、日本の食料自給率を下げている最大の要因ということになる。

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アメリカの企みにはまった日本人
じゃあ、日本人の食の欧米化は、一体どこから始まったんだろう? それが戦後の給食だ。戦後、日本人はみな飢えていた。特に育ちざかりの子どもが飢えているのは可哀そうだ、ということでアメリカが人道的支援として、コッペパンと脱脂粉乳の給食を支給してくれた。でも、実は、これは純粋な善意ではなかったんだ。アメリカでは小麦が余っていて、売り先を探していた。でも日本のような食習慣のまったく違う国に持って行ってもいきなりは売れないだろう、ということはアメリカ側でも予測がつく。まずは給食というかたちで子どもたちに無償提供し、パン食という食習慣を根付かせれば、後は黙っていても継続的な輸入が見込めるだろう、と彼らは算段した。そして給食というかたちの一大セールスプロモーションを実施。日本中にキッチンカーを走らせ、「米を食べるとバカになる」などというデマを流すことまで行われた。
その目論見は見事成功し、「朝食はパン」という家庭が次第に増え、ついに2011年には家計におけるパンのための支出が米のための支出を上回るまでになってしまった。アメリカにとっての給食の無償提供は、ほんの数年でその後何十年もの継続的な輸出を獲得するための、安い投資だったんだ。
食料を依存すること=他国に隷属すること
「食料を自給できない国を、真の独立国とは呼べない」という言葉もある。食料確保は国家安全保障の3本柱の一つともいわれている。食料がなければ人間は命をつなぐことができないから、食料を他国に握られてしまうということは、生殺与奪健を握られてしまう、ということなんだ。それを意図的に利用するのが、アメリカという国だ。ブッシュjr.がかつてこんな発言をしているよ。「食料を自給できない国を想像できるか。それは国際的圧力と危険にさらされている国だ」
わかっていて、わざと危険にさらす、圧力をかける。食料を依存させることによって隷属させる、それがアメリカの国家戦略なんだ。
日本が多くの食料をアメリカに依存していることが、日本のアメリカに対する立場を弱くしているひとつの原因になっている。時として日本政府がアメリカ政府の言いなりになっているように見えるこの現在の政治状況を変えるためにも、食料自給率の向上は不可欠。そのためにも、輸入小麦の消費を減らし、お米をもっと食べるようにするのが有効なんだ。

日本の農業と自然環境を守ろう
日本人の主食は米だったのに、「朝はパン」とか「お昼はラーメン」とか「わたしはパスタ」みたいな人が増えて、お米の消費はどんどん減って来ている。和食のときも、おかずばっかり食べて、ご飯をあまり食べない人が多いしね。日本人が食べる米の量は、最盛期(昭和37年、118.3kg/人/年)の半分にまで減ってしまい、日本の米農家の経営は苦しくなる一方だ。
2007年の時点で、日本の稲作農家の収入を時給に換算するとわずか179円。その後2010年にはマイナス468円という「赤字」にまで転落している。このままでは米農家は日本からいなくなり、瑞穂の国日本から田んぼが消えてしまう。
田んぼはお米を実らせてくれるだけじゃない。田んぼが天然のダムの役割をし、雨水を貯蔵したり、洪水を防いだりするのに役立つ。さまざまな生きものを育む、生物多様性の宝庫でもある。その他にも、水田の表面を渡る風が、夏に涼しさをもたらしてくれる、など、いわば自然環境の一部として多面的な役割を担っていて、田んぼがなくなれば、ボクらがそうした恩恵を受けることもできなくなってしまう。
日本の農家を支えるためにも、また、田んぼがあってこそ完結される日本の自然環境を守るためにも、輸入小麦の消費を減らし、もっとお米を食べるようにしたいね。
コラム「知行合一」
日本が食料をアメリカに依存してるなんて嘘っぱちだ、アメリカから食料輸入しなくたって、いざとなったら米と魚といもでやっていけるんだ!とか言うヒトがたまにいるんだけど、「いざとなったら」とか言ってるだけじゃダメだ。「知行合一」という吉田松陰の言葉を知っているかい? 知っていても行動に移さなきゃ意味がないってこと。今その人が実行に移さないんだったら、それはその人にはできない、ってこと。日本がアメリカの属国でいいと認めるということだ。

〇国産小麦パンや米粉パンを
小麦の輸入を減らすためには、国産小麦や米粉を使ったパンを選ぶのも有効だ。ただ、 パン食はどうしても、バターなどの畜産物や、マーガリン、マヨネーズなどの油と組み合わせて食べることが多くなるから、毎朝食べるのはおすすめできない。パンは週末だけ、とか限定して楽しむようにしたい。
〇もっとお米を
朝昼晩とも主食はご飯を基本にしたい。朝からご飯は面倒くさいという人もいるようだけど、夜にご飯を炊いて、翌朝はそれを温め直せば簡単だよ。おかずも、夕食の余りを朝食に、といった融通をきかせられるから、ずっと便利だ。
〇うどんは小麦の原産地をチェック
小麦製品といえばうどんを思い浮かべる人もいるだろう。本来国産小麦はうどんを打つのに適した性質を持っており、昔から利用されてきたわけだが、最近では外国産の小麦粉を使ったうどんも増えてきている。「国産小麦使用」と明記されたものを選んで買おう。
〇うどんをパスタ風に
パスタ大好き!やめられない!という人は、国産小麦のうどんをパスタソースに絡めて食べてみよう。結構イケる。

手打ちパスタジェノベーゼ小

手打ちうどんのジェノベーゼ

 

手打ちパスタたらこ

雑穀アマランサスを利用して、手打ちうどん、たらこ風ソース

〇米粉やお餅を
小麦粉の代わりに米粉を使ったお菓子や、お餅をワッフル風に焼いたものなど、いろいろな新しい料理やお菓子のレシピも考案されている。チャレンジしてみよう。

もちピザ(長芋)

もちピザ。もちを薄く切ってフライパンで焼き、長芋ベースのソースをかけてさらに焼く。

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