ページタイトル-8.丸ごと食べよう2生ゴミが減る
お米は完全に精白しない、ごぼうやにんじんの皮はむかない、大根の葉っぱは捨てずに利用、など、食べものをなるべく丸ごと食べるよう工夫しよう。
そうすることでまず第一にゴミが減るというメリットがある。ゴミの処理には税金がかかり、焼却による温暖化や大気汚染、埋め立て地が必要になるなど、環境にも大きな負荷がかかる。生ゴミを減らすことは、そうした負荷の軽減につながる。もちろん、生ゴミを処理するキミも楽になるよ。

Compost

なるべく減らしたい生ゴミ。

皮をむく時間が節約できる
皮をむかなければ、その分の時間が節約できる。手間が省けてお料理が簡単に。
より多くの栄養を摂り込める
野菜の栄養が一番詰まっているところ、それが皮のすぐ下の層だ。にんじんの抗酸化成分の分布を示す写真では、見事に皮の部分に成分が凝縮されていることがわかる。野菜の皮は栄養の宝庫。それを捨てるなんてもったいないことこのうえない。
米の栄養が一番濃厚に詰まっているのも、一番外側の部分、つまり糠だ。「糠(ぬか)」という字は、健康の源はぬかの部分に詰まっていることを表している。玄米の含むビタミンB1は白米の8倍、ビタミンB3は15倍、鉄分は6倍、食物繊維は5倍。この豊富な栄養も全部捨ててしまうのはもったいないね。

玄米と白米の栄養
現代人の多くがカロリーオーバーである反面、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素は不足している。それがさまざまな不調や病気を引き起こす。丸ごと食べてより多くの微量栄養素を摂り込むことで、より健康になれるんだ。
1人1人が健康になれば、その人自身も、家族も幸せになるし、国民の医療費が減れば、国の財政負担も減って、もっと必要なところに税金が回るようになるだろう。
よりおいしい
野菜の皮には栄養だけでなく、旨みも一番濃厚に詰まっている。皮をこすり落としてしまったごぼうと、そうでないごぼうとで、きんぴらを作って食べ比べてみれば一目瞭然だよ。
丸ごと食べれば、こんなにいいことづくめ。やり始めると、今まで一体何のために皮なんてむいていたんだろう? と、ばかばかしくなること請け合いだ。

きんぴら(器-赤)(490k)

ごぼう、にんじん、れんこんの皮をむかずに作ったきんぴら。じっくり炒めてよく煮ると、お醤油だけの味付けでも甘くてびっくりするほどだ。

〇玄米や分づき米を
完全な白米ではなく、玄米や分づき米(糠を3割落とした三分づき米や、7割おとした七分づき米などを指します)、あるいは胚芽米などを食べるようにしよう。

玄米ごはん

玄米ご飯はビタミンや食物繊維たっぷりで、便秘解消には最強。

〇野菜の皮はむかない
にんじん、ごぼう、れんこん、大根、かぶ、トマト…こうした野菜の皮は全然むかなくていい。もちろん、皮まで安心して食べられるよう、農薬を使わずに育てた野菜を選ぶことが前提だ。農薬は皮だけでなく、野菜の中にまで浸透していることも考えよう。

ポトフ(490k)

根菜の皮をむかずただ大きく切って煮込むだけのポトフはとっても簡単

〇いもの皮の処理は
里芋の皮はさすがに食べるわけにはいかないが、丸ごと熱湯でゆでるか蒸すかしてから指でむくと、薄くむける。皮の下の栄養のある部分は残るので、こうしたむき方なら問題ない。長芋の皮はよく洗ってそのまますりおろしたり切ったりすれば、ほとんど気にならずに食べられる。じゃがいも、さつまいもの皮も問題なく食べることができるが、蒸してから指で薄くむいてもいい。
〇大根やかぶの葉はもちろん食べる
根っこ以上に葉に栄養があるとも言われる。味噌汁、炒め煮、塩もみなどいろいろ工夫して食べてしまおう。
〇ゆでこぼさない
野菜をゆでると、その栄養分はお湯の中に溶けだしてしまう。なるべくゆでずに蒸すようにしたほうが、栄養を丸ごと摂りこめる。

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